投稿日:2015年6月6日|カテゴリ:お知らせ, コラム

『新旧/弱オピオイド』
今回のワントラムで、新旧合わせて計3種類の内服系トラマドール製剤揃い踏み。

整形外科さん主の急性痛では、PGBリリカ様のライバルに成りつつ有る大流行売り出し中の『トラムセット』でしょう。
しかし、わたくしの様な慢性痛特にメンタル系や線維筋痛症系では、トラマドールはSNRIに属する為、三環系抗鬱薬TCAやSNRI/DULとの関係で、安易には使い難いのです。
心療内科領域や精神科領域では、対象御客様のEQ-5D(QOLの欧州式表記)が非常に低くかなりの処迄、強い薬剤でガンガン追い込めるそうです。
そう言う場合、三環系抗鬱薬TCA∔SNRI又はSSRI 、SNRI∔弱オピオイド始めSSRI∔SNRI始め多剤抗鬱薬療法、多剤抗不安薬睡眠誘導剤療法も見受けます。
しかし、わたくしの様なペイン科的立場からの視点では、御客様のEQ-5Dが比較的高く維持されて居り、殆どの方々が就労就学中です。
その為、わたくしの御客様範疇では、過激に多剤療法は出来ません。
特に『セロトニン症候群』予防と言う『基本』に忠実なスタンスを維持しつつ、漢方中心な多剤療法へ踏み切ります。
その点、トラマールは混ざりモノも無く、25MGから開始出来るので楽です。
まして今回販売されたワントラムは、即放層と徐放層の二重構造の為、24時間作動性として期待出来ます。
日に一度の内服で良ければ飲み忘れも回避出来ます。
弱オピオイドは、メンタル系に問題が有る場合は内服は避けるべきですが、問題無ければ内服は可です。

内服を忘れて飛ばしたり、逆に過剰に内服させると、飛んでも無い副作用が現れる事も有りますから『抗鬱薬や抗癲癇薬や非定型性抗精神病薬』並みに相当にビビりながら容量容法を順守して正確に内服して頂かなければ成らない大変効果の高い薬として、医療人(医師・薬剤師)も御客様も、安易にスルーさせず、弱オピオイドを自己認識確認後、内服しましょう。