投稿日:2016年1月19日|カテゴリ:お知らせ, コラム

『Default Mode Network/DMN障害修正は慢性痛緩和の基本』 Default Mode Network(DMN)とは、 脳内の記憶に関与するエリア『体性感覚野、前頭前野、帯状回、海馬等』で、何もしていなくとも脳が活動している状態のことです。 脳がスタンバイしている状態のことです。 安静時は普通に賦活化して居ても、嫌なタスクが入力されると、異常な抑制ネットワークが働き始め、記憶に関与するエリアの異常亢進痙攣が生じます。

各種精神疾患や線維筋痛症や体感幻痛は脳内のDMN障害なのです。 線維筋痛症は脳機能障害症候群です。 不明慢性痛や線維筋痛症はDMN障害ですから、メンタル系を改善させれば、必ず慢性痛は軽快してきます。

特に記憶に関与するエリアの異常亢進痙攣がPTSDによるFB(フラッシュバック)ですから、そこを抑えれば、DMN障害も緩和し、二次的に痛みの記憶を抑制可能と成り、慢性痛も緩和すると考察出来ます。

高用量中枢性のTFやケイシカ芍薬湯や芍薬甘草湯は、中枢領域迄働き記憶に関与するエリアの異常亢進痙攣を抑制していく為、二次的な慢性痛抑制に有効です。 柴胡剤や駆瘀血剤や利水剤や補気剤や補血剤や腎気剤等も病状各証や気血水に応じて当然必要です。

勿論、メンタル系の基礎疾患である、単極性欝病や双極性障害や統合失調症や各種認知症やパーキンソン症候群を修正緩和させる必要は有ります。

当然、薬を利用しない認知行動療法や理学療法や運動療法による緩和処置も有効です。 K点ブロック注射、各種神経ブロック注射、各種経絡注射、各種トリガー注射等も有効です。

痛いから痛み止めを内服すると言う次元は基本急性期痛の考えで有り、慢性期痛を抑えるには、もっと脳機能障害症候群に対応させた脳環境の安定保持を保って上げる必要があります。

そこさえ整える事が出来れば、殆どの慢性痛症例で軽快可能です。

逆説的に言えば、患者さんと医師の関係を上手く保てなければ、患者さんの脳環境は不安定と成り、内服安定も保てず、当然の如く回復は見込めません。

宗教でも医療でも、信じる事は救われると言う昔からの合言葉が『回復へのキー』と成ります。